はじめに

「求人を出しているのに、なぜ採用に至らないのだろうか?」
就職活動をしていると、ふとそんな疑問が頭をよぎることがあります。特にハローワークを通じて応募した企業から、不採用通知はおろか、一切の連絡がないという経験は、一度や二度ではありません。求人情報を掲載している以上、応募者への丁寧な対応は不可欠であると考えます。
たとえば、今から20年ほど前の話。倉渕町にあるゴルフ場へ応募したときのことです。
倉渕町のゴルフ場に応募した際、30代くらいの若い女性の面接官から、最初から人を見下すような印象を受けました。その女性は、ゴルフ場には中小企業のわがままな社長が多く、日常的に顧客から無理難題を強いられる環境だと説明されました。これは、私が馬鹿にされても気にせずに働き続けられるかどうかを試す意図があったのかもしれません。
その後、不採用通知が一切なく、ハローワークに何度問い合わせても「分かりかねます」の一点張りでした。今にして思えば、コンプライアンス意識の低い、このような企業は最初から避けるべきだったのかもしれません。
採用されない“求人”の実態
日本経済新聞の報道によれば、2024年におけるハローワークの求人採用率は、わずか11.6%に過ぎないと言います。これは、つまりハローワークに掲載された求人の約9割が、応募者を得られないまま、あるいは選考に進むことなく、結果的に採用に至っていないことを意味します。

企業にとってハローワークへの求人掲載は無料であるため、「とりあえず掲載してみよう」という安易な姿勢で求人が出される傾向にあります。しかしその一方で、求職者は履歴書や職務経歴書の作成に時間を費やし、面接に臨むための準備にも労力とお金を費やしています。
この落差は、どう考えても不公平です。
曖昧すぎる「選考期間」
求人票に記載された書類選考期間が「10日間」とだけ示されている場合、土日を含むか否かが明記されていないことがあります。
ハローワークに確認したところ、「土日を除く10日間」とのことでしたが、求職者にとってはそのように解釈できるとは限らず、曖昧さが残ります。
選考に通過しなかった場合、いつ連絡があるのか、あるいは選考通過者のみに連絡があり、不採用の場合は書類返送のみなのか。情報が不足しているため、応募者は不安を覚えます。 このような不透明さこそが、求職者の心を疲弊させる大きな要因と言えるでしょう。
履歴書は、どこへ消えるのか
企業によっては、履歴書や職務経歴書を書類選考のために送付しても、返却してくれる企業と、企業が責任を持って廃棄する企業があり、その対応が明確でない点が応募者の不安をあおります。昨今のコンプライアンス意識の高まりを考慮すれば、個人情報保護の観点から、返却が望ましいと考えます。
現状では、ハローワーク職員に問い合わせても「企業の判断に委ねられています」という回答に留まり、企業によって対応が異なるため、結局のところ、曖昧な状況が解消されていません。

私たち求職者は、住所・電話番号・生年月日などの個人情報のかたまりを企業に提出しています。
コンプライアンスの時代だと言われている今、こうした取り扱いのルールが企業によって違うままでいいはずがありません。
退職時の“なかったこと”にされる現実
以前、職場で不愉快なことがあって辞めたとき、ハローワークでの初回手続きで、職員からこう言われました。
「問題があっても、面倒だから言わなくていいよね?」
私にとっては意味のある出来事だったのに、それを“書かなくていい”と促すような雰囲気。
もちろん、親切で一生懸命な職員も多くいます。
だからこそ、こうしたズレが、なおさら心に引っかかって残るのです。
騒音の中で、大切なことが聞き取れない
去年5月、最初のハローワーク手続きのとき。
私は書類も揃っておらず、職員と一つひとつ確認しながら話をしていました。
ところが、近くにいた女性が3人の子どもを連れてきていて、騒がしいどころか大声で叫ぶような状態。
職員との会話は何度も聞き返す羽目になり、でも職員は一切注意をしませんでした。
スマホを見ていて、周囲の状況にまったく無関心。
「公共の場での配慮」という言葉が、あまりにも空虚に感じた瞬間でした。
「不備」と「誠実さ」が同居する場所
ハローワークという場所には、不備も、誠実さも、両方存在しています。
制度は曖昧で、不快な対応もあれば、一生懸命助けてくれる職員もいます。
さらに、自分にとっては不快だったことが、他人にとっては快適に感じられる。
価値観の違いがぶつかる場所だからこそ、言葉にして伝えることに意味があるのだと思います。
私が願う、たったいくつかの改善
1. 採用ゼロが3ヶ月続く企業には、理由説明の義務化
2. 求人票に「過去12ヶ月の採用実績」を明記
3. 不採用時、簡易フィードバック(理由)の義務化
4. 履歴書の返却・処理方法を明文化&統一ルール化
求職者側ばかりが神経をすり減らす現状を、少しでも変えてほしい―― ただそれだけです。
終わりに
私はただ、「働きたい」と思っているだけです。
でもその気持ちは、応募しても返事がない、何の説明もない現実の中で、少しずつ削れていく。
それでも、声をあげたいと思いました。
これはただの愚痴ではありません。
同じように悔しい思いをしている人がいることを、忘れたくなかったからです。
読んでくれて、ありがとうございました。
今のあなたの思いを教えてください。