マリリン・モンローから日常の波紋まで:二つの映画が映し出す人生の光と影

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はじめに

「ハッピーバースデートゥーユー、ミスタープレジデント」の歌声や、地下鉄の通気口でスカートが舞い上がる象徴的な姿―。

マリリン・モンローと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、その華やかな「セックスシンボル」としてのイメージではないでしょうか。

しかし、私たちは本当に彼女の人生や内面を知っているのでしょうか?

今回、とある映画を通じて彼女の生涯に触れ、私たちが抱くイメージとは異なる、人間マリリン・モンローの光と影に迫ります。

そして、全く異なるもう一本の映画『オン・ア・ボート』からは、日常に潜む人間関係の複雑さと、それにまつわるリアルな共感を見つけました。


目次

  • マリリン・モンロー:イメージと現実のギャップ

  • マリリン・モンロー 私の愛しかた』が描く知られざる真実

    • 知られざる生い立ち:母親との複雑な関係

    • 短かった結婚生活:日本での新婚旅行とジョー・ディマジオの苦悩

    • セックスシンボルという葛藤:女優としての真の願い

    • 謎に包まれた死の真相:ケネディ家との関連性

    • 最終的に彼女を本当に愛した人

  • 『オン・ア・ボート』:日常を侵食する「破天荒な友人」への共感

  • 二つの映画から見えた、人間関係の普遍的な「光と影」

  • まとめ


マリリン・モンロー:イメージと現実のギャップ

マリリン・モンローといえば、その妖艶な魅力で世界中を虜にした「セックスシンボル」というイメージが非常に強いですよね。

しかし、今回、彼女の生涯を描いた映画を観て、そのイメージが先行しすぎているのではないかと感じました。私たちは彼女の一部分しか見ていなかったのかもしれません。

例えば、日本では「ハッピーバースデートゥーユー、ミスタープレジデント」の歌声やスカートを押さえるあの有名なシーンは広く知られていますが、それ以外のマリリンの姿を知る人は少ないのが現状でしょう。


マリリン・モンロー 私の愛しかた』が描く知られざる真実

今回鑑賞したのは、マリリン・モンロー 私の愛し方』という作品です。

この映画は、彼女の孤独な少女時代から、ハリウッドでの苦悩、そして謎に包まれた死までを深く掘り下げています。

知られざる生い立ち:母親との複雑な関係

映画を観て特に衝撃を受けたのは、彼女の生い立ち、特に母親との関係でした。正直なところ、そこまで深く知らなかったので、描かれていた事実に心を揺さぶられました。

もし、後半で描かれた「あんたを産んだ覚えはない」という言葉が事実だとしたら、それはどれほど彼女の心を打ち砕いたことでしょうか。

親子の間に存在したかもしれない複雑な感情は、後のマリリンの人生にも大きな影響を与えたと想像せずにはいられません。

華やかなイメージの裏には、人知れぬ孤独や心の傷があったのかもしれません。

短かった結婚生活:日本での新婚旅行とジョー・ディマジオの苦悩

マリリン・モンローの結婚生活は波乱に富んだものでしたが、特にジョー・ディマジオとの新婚旅行で日本を訪れていたことは、意外に知られていないかもしれません。

当時、日本各地で様々なイベントに参加したようですが、そこで明らかになったのは、ディマジオ自身よりも妻であるマリリンの人気が圧倒的だったという事実です。 これは彼にとって非常に辛い経験だったようです。

彼が願っていたのは、マリリンが家庭に入り、穏やかな生活を送ることだったと言われています。 しかし、世界を舞台に活躍する彼女の勢いを止めることは、非常に難しかったのではないでしょうか。

このエピソードは、日本の郷ひろみさんと松田聖子さんのような国民的カップルに似た状況があったように感じられ、洋の東西を問わず、人が抱える感情や関係性の普遍性を考えさせられます。

セックスシンボルという葛藤:女優としての真の願い

マリリン・モンローにとって、「セックスシンボル」というイメージは、必ずしも本意ではなかったようです。実際、彼女は「不快な思いだった」と語っていたとされています。

彼女の真の願いは、単なるセクシーなアイコンとしてではなく、一人の女優としてその地位を確立することだったのではないでしょうか。 現代においても、アイドルのセクシーなイメージが先行し、アーティストとしての評価が二の次になってしまうケースは少なくありません。

以前、楽家大友良英さんもラジオ番組で、同様に「セックスシンボルというイメージは好ましくない」と語っていたことを思い出します。

この時は、日本のアイドル事情について今の現状を話したことですから、関連はしませんが内容としてはとても近いと感じました。

このことから、時代や国を超えて、イメージ先行による葛藤は多くの表現者が抱える共通の悩みなのかもしれません。

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謎に包まれた死の真相:ケネディ家との関連性

マリリン・モンローの死は、公式には自殺と報道されましたが、映画を観るとその真相は異なっていたのではないかという示唆があり、これは非常に衝撃的でした。

特に、当時のアメリカを代表する政治家の一族であるケネディ家が、その死に少なからず関与していたという印象を受けたことは、驚きを禁じ得ませんでした。 もしそれが事実であれば、彼女の人生は、私たちが想像以上に複雑で危険な側面を持っていたことになります。

この新たな情報は、マリリン・モンローという人物の深層をさらに知りたいという欲求を掻き立てます。

最終的に彼女を本当に愛した人

マリリン・モンローの波乱に満ちた人生の終着点において、彼女を最も深く愛したのは、やはりジョー・ディマジオだったのかもしれない、という印象を受けました。

新婚旅行での苦悩や、彼女に家庭に入ってほしいという願いは、彼の彼女に対する純粋な愛情の裏返しだったのかもしれません。

もしそうであれば、私たちは華やかなキャリアの裏にあったマリリンの孤独と、それを包み込もうとした一人の男性の姿に、改めて心を打たれます。

そして、何よりも驚いたのは、亡くなった当日、実はジョー・ディマジオと再婚の約束をしていたというエピソードでした。

この事実は、彼がどれほどマリリンを深く愛し、彼女の人生の最後まで寄り添おうとしていたかを物語っています。


『オン・ア・ボート』:日常を侵食する「破天荒な友人」への共感

マリリン・モンローの壮大な人生とは対照的に、同じ日に鑑賞したもう一本の映画『オン・ア・ボート』は、非常に身近な日常に焦点を当てた作品でした。

  • 上映期間: 6月20日(金)~6月26日(木)

  • 監督: ヘソ

  • 出演: 松浦りょう、渋川清彦、山本奈衣瑠、中尾有伽、和田紗也加、杏奈メロディー

  • 上映時間: 32分

あらすじ

郊外の一軒家で新婚生活を始めた高橋さら(松浦りょう)は、ひとまわり年上の夫・忠(渋川清彦)と穏やかな日々を送っていました。 ある日、さらの旧友・鈴木えだまめ(山本奈衣瑠)が訪れ、自由奔放な振る舞いで家の秩序を乱し始めます。 えだまめの行動に苛立つ忠と、かつての自由な自分を思い出すさら。一夜の出来事が、二人の関係に微妙な変化をもたらします。

感想

この「えだまめ」というキャラクターには、正直「自分もこんなの嫌だなぁ」と、夫の忠に共感しかありませんでした。 たった30分ほどの短い映画なのですが、新婚夫婦の家に旧友が遊びに来るという設定で、その友人があまりにも破天荒でイラつくんですよね。

人の家の冷蔵庫を勝手に開けて中を調べ回したり、夫婦の会話を全く相手にせず、ほぼ無視状態だったり。突然、他の友達を連れてきて大騒ぎするなど、落ち着いて過ごすことなんてできません。

奥さんのさらも、昔はこんな自由奔放な感じだったのかなと思わせる、少し違和感のある女性として描かれていました。 現実世界であれば、結婚に至るまでの過程で「この人、ちょっとおかしいんじゃないかな?」と気づく場面がどこかにあったのではないか、なんて深読みしてしまいました。

そして、今改めて考えてみると、この「えだまめ」の行動は、あたかもADHDのように見えるのですが、彼女自身がそれを分かっていてわざとそう振る舞っているような印象を受けました。 つまり、障害ではないのに、まるでそうであるかのように見せることで、周囲に特定の印象を与えている。

だからこそ、観ていて強い違和感を感じたのかもしれません。 たった30分という時間で、これほどリアルな感情の波を引き起こすショートフィルムの奥深さを感じさせられました。


二つの映画から見えた、人間関係の普遍的な「光と影」

マリリン・モンローの壮絶な人生と、新婚夫婦の日常に突如現れた「えだまめ」による小さな波紋。 一見すると全く異なる二つの映画ですが、どちらも人間関係の複雑さや、人の内面に潜む「光と影」を見事に描き出していました。

マリリンは世間のイメージと自分自身の真の願いとの間で葛藤し、孤独を抱えながらも愛を求めました。

「えだまめ」は、ある意味で究極の「自由」を体現しているようにも見えますが、その行動は周囲との摩擦を生み、人間関係にひずみをもたらします。

華やかなスターの人生も、私たちと同じ日常を生きる夫婦の物語も、その根底にあるのは「人との繋がり」であり、そこには喜びだけでなく、苛立ち、悲しみ、そして理解しがたい感情が常に存在しているのだと、改めて感じさせてくれる映画鑑賞となりました。


まとめ

マリリン・モンローは、単なる「セックスシンボル」というイメージだけでは語り尽くせない、複雑で多面的な人生を送った女性でした。

生い立ちの苦悩、華やかなキャリアの裏での葛藤、そして謎に包まれた死の真相。今回の映画を通して、私たちは彼女の知られざる一面に触れ、人間としての弱さや強さ、そして真の愛を求める姿を垣間見ることができました。

そして、『オン・ア・ボート』は、たった30分の中に、誰もが経験しうる日常の「あるある」と、そこから生まれる人間関係のリアルな軋轢を見事に凝縮していました。

どちらの作品も、私たちに「イメージ」や「表面」の奥にある「真実」や「感情」を探求することの重要性を教えてくれます。

映画というレンズを通して、改めて「人」という存在の奥深さに触れる貴重な体験でした。


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今回ご紹介した二つの映画にご興味があれば、ぜひご覧になってみてくださいね。