新世紀ロマンティクスを観て、時の流れに心が揺れた日

【新世紀ロマンティクス】

上映期間:2025年5月23日(金)~6月5日(木)

監督ジャ・ジャンクー

出演:チャオ・タオ、リー・チュウビン、パン・ジアンリン、ラン・チョウ、チョウ・ヨウ、レン・クー、マオ・タオ

上映時間:111分

新世紀ロマンティクス

あらすじ

ミレニアムの幕開けから、目覚ましい変貌を遂げた現代。激動の時代を背景に、繰り返される出会いと別れを描く。時は決して遡らない。だからこそ、私たちは前へと進む。

レオナルドAI

ぐずついた 天気が続いています。

今年は梅雨入りも早いのかもしれません。

近年の異常気象のせいか、天候が非常に予測しづらくなりました。

季節感が薄れてきたように感じます。

シネマテークたかさきで映画を観る楽しみ

それはさておき、先日シネマテークたかさきで『新世紀ロマンティクス』を観てきました。壮大な物語だと期待していたものの、内容は少しわかりにくく、理解するのに苦労しました。結論から言うとあまり理解ができませんでした。

ふと、映画というものは、一度鑑賞するだけでは捉えきれない、何度も繰り返し観ることで初めてその真価に触れられる作品もあるのかもしれないと感じました。本作は、まさにそういった類の作品ではないでしょうか。

時代の変遷と、その中で人がいかに選択を重ね、そしてその選択によって人生が大きく左右されていくのかという普遍的なテーマが、観る者の心に深く響きます。

完全に理解できたとは言えませんが、なぜか心の奥底がざわめき、考えさせられる、そんな不思議な魅力を持った映画でした。

昔観た映画は何だったのか?

過去にも似たような作品を鑑賞した記憶があり、本作もまた壮大な物語であることは容易に理解できました。物語の根幹は至ってシンプルで、主人公が「少しの間、家を空ける」と告げて家を出てから、残された妻が長年にわたり夫を探し続ける、というものです。

レオナルドAI

映画の舞台は2001年から始まり、2022年に幕を閉じます。

時の流れは常に不変であり、人もまた変化していく。その時々の選択一つで人生って変わるんだな、と思いました。

劇中に映し出される中国の雄大な河川とそれに寄り添う音楽、そして雄大な山々と音楽の融合は、本当に美しかった。

ただ、劇中の警察官との会話で「外様なのに……」という字幕が表示された点は、少々気になりました。日本人には理解できるニュアンスを含んでいるとはいえ、字幕として使用するには、やや違和感を覚えました。

重なる想い

この映画を鑑賞している間、心が大きく揺さぶられたのは、主人公と同時代を生きているという実感があったからです。

映画の主題は2001年から2022年という期間を扱っており、描かれている世代的な背景を考慮すると、主人公と私はほぼ同じ世代であるように感じられ、共感を覚える部分が多くありました。コロナ禍の背景も、深く刻まれる内容になりました。

レオナルドAI

私自身、仕事においては当初から苦労の連続で、転職を繰り返しながら現在も苦痛を感じています。必死にもがき、様々な可能性を模索しながら職を探し、応募する日々ですが、時は容赦なく過ぎていきます。昨日より今日、今日より明日と、一つ一つ努力を重ねても、なかなか報われない思いを痛感しています。

映画の中で、無情にも時間が刻々と過ぎていく様子を見ていると、まるで自分の人生も同じように過ぎ去っているのではないか、という漠然とした感覚に襲われます。

天国の日々を回想しつつ

映画天国の日々は映像美で名高い作品ですが、物語の展開に単調さを感じ、眠ってしまったのは不覚でした。

舞台は古き良き時代のアメリカ。小学生の少女とその兄、恋人の3人を中心に物語は展開します。少女の回顧的な視点から語られるノスタルジックな映像体験は、観る者を惹きつけます。

ストーリーは明瞭とは言えませんが、広大な小麦畑や夕焼けなど、息をのむほど美しい風景描写が際立っています。記憶の曖昧さや美しさといった繊細なニュアンスを映像で見事に表現し、感銘を受けました。

鑑賞後、淡い記憶とは断片的でありながら強烈な印象を残すものなのかもしれません。本作は映像美を存分に味わいつつ、記憶の奥底に触れたい方には、一度鑑賞してみてはいかがですか。

以前に観た映画は?

冒頭で触れた映画は、実は同じ監督による2006年製作の中国映画長江哀歌です。

長江三峡を舞台に、巨大ダム建設によって水没の危機に瀕する街と、そこで懸命に生きる人々の姿を、重厚な筆致で描き出した作品です。社会の変容と人々の生活が複雑に絡み合い、否応なく変化を強いられる人々の姿が、深く心に刻まれます。

悠久の流れを持つ時間の中で、その時々の選択が人生を大きく左右するという、普遍的な真実を改めて認識させられる、深遠な作品でした。

具体的な内容についての詳細な説明はここでは割愛します。

2010年代に鑑賞した記憶はあるものの、正確な時期は分かりません。

シネマテークたかさきで鑑賞した記録は確認できますが、過去の手帳を全て確認するのは困難ですから。

2001年宇宙の旅

今回の映画を鑑賞していて、ふと思い出した作品がスタンリー・キューブリック監督の不朽の名作2001年宇宙の旅です。恐らく高校時代に学校の鑑賞会で上映された際に、非常に期待して観た記憶があります。しかし、正直な感想としては「結局、宇宙人が地球にやってきたのは分かったけれど、一体何だったんだろう?」という疑問が頭から離れませんでした。

SF映画が大好きだったこともあり、前のめりになって鑑賞していたことは否定できません。

冒頭でも述べたように、この映画はもう一度、じっくりと時間をかけて観る必要がある作品なのでしょう。そして、今もなおその時の印象が心に残っていることこそが、その証拠だと感じています。

改めて鑑賞することで、新たな発見や解釈が生まれるのではないかと期待しています。

間抜けな結末

帰宅して、少々動揺してしまいました。1階のポストに施錠しているのですが、その鍵が見当たらないのです。「まさか、どこかで落としてしまったのか」と考えると、急に不安が募ってきました。

徒歩で帰ってきたため、どこで紛失したのか皆目見当もつかず、途方に暮れてしまいました。しかし、冷静になって考えてみると、今日は家を出る際に、うっかり鍵をかけ忘れて出てきてしまった可能性が高いと思い当たりました。案の定、鍵は家の中にあったのです。

全く、お腹空いた。

あなたはこの映画を観て、どのように感じられましたか?

深く理解できたでしょうか?